ロータリー創成期
マツダロータリーの始祖といえば、コスモスポーツ。初期型はL10A型で10A型ロータリーを搭載。110PSエンジンに4速MTで最高速度185km/h。しかし、翌年にはL10B型にチェンジ。出力は128PSに向上、5速MTで最高速度200km/hを謳う。このマイナーチェンジではフロントバンパー下のグリルデザインも変更しグリルを大型化しているし、ホイールベース迄延長するという大掛かりな変更。
その後、同じエンジンをディチューンしてファミリアに搭載。小型軽量な車体にロータリーということで非常にパワフルな一台。これはロータリーの大衆化に大きな役割を果たしている。
一方で、上級向けとして、全く新しいトロコイド曲線を持つ13A型ロータリーを搭載しFFで駆動するというルーチェロータリークーペも登場。似たデザインのレシプロのセダンはFRだったけど、クーペはFFという驚きの展開。こちらの販売台数は極めて少数。
ロータリーのラインナップは、その後、カペラ、サバンナと続く。サバンナシリーズは前記事に紹介したとおりだけど、サバンナシリーズよりも実は、直線に登場したカペラシリーズは実は盲点となるほど高性能。このカペラシリーズは輸出呼称がRX-2と呼ばれるモノ。エンジンは当初から12A型ロータリーエンジンを搭載している。サバンナシリーズよりも若干大きなボディで戦闘力は、、、、とされているけど、ボディのサイズよりも大きな違いがある。それは、サバンナシリーズのリアはリーフ式サスペンション。これ、実際に所有していた経験から言えば、舗装路でもフルスロットルすればリアアクスルがばたつく代物で、サスペンションの制約からかトラクション性能は決して褒められたモノではない。
そして、ロータリーエンジン車は、コスモもドディオンアクスルとは言えリーフ式、ファミリアロータリーもサバンナもロータリーだったのだけど、カペラシリーズは生まれた時から違う。カペラはトレーリングリンクでアクスルをしっかり支える4リンクコイル式サスペンションとなっている。
因みに、レースで大活躍したサバンナGTだけど、こちらは当初のリーフ式ではアクスル保持力等の問題でレースで大活躍した訳ではない。サバンナシリーズがレースで頭角を現したのは、リアアクスルの保持に、後のSA22型RX-7にフィードバックされるワッツリンクを追加してからの話。
昭和40年代からアクスル剛性の高いシャーシを実現していたカペラロータリーは、実は創成期のロータリーでは最強かもしれない。
ロータリーエンジン自体、サマールリアクターを搭載したAPシリーズ以降、エンジン重量が増して、レスポンスが低下、燃費も大幅に悪化しているけど、サマールリアクター搭載以前のロータリーは燃費もそこそこ、性能は乗れば体感出来る程の差を持っている。
その世代のモデルの最高峰は、初期型サバンナGTだけど、RX-2の国内版、風のカペラの異名を持つカペラロータリークーペは、シャーシ性能でサバンナGTを寄せ付けない存在である。
初期のカペラは、フロントノーズがフラット形状で丸四灯か角二灯のデザイン。テールは片側丸二灯のテールランプ。APシリーズ以降はノーズ先端が尖った丸四灯、テールは片側角二灯のテールランプ。後期型サバンナGTに乗っていた時、後方から初期型カペラロータリに追っ掛けられた事があるけど、明らかにカペラの方が発進加速、登坂力、追い越し加速の全ての面で上回っていたのは、今でも鮮明に覚えている。
まぁ、そんなカペラも今はとっても高価になっているのだが、、、、サバンナ程は高騰していない。ノスタルジックカー好きにはカペラは盲点かもしれない。
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