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2023年3月 8日 (水)

高回転型エンジン

というと、一般的に、ボア×ストロークで、ボア径がストローク長より大きな寸法を持つエンジン。そして、これが高回転型というけど、これって、一概には言いきれない側面がある。

同じ排気量同士で較べれば、そういう理屈は成り立つのかも知れないが、例えば排気量違いの姉妹車でボア径のみが異なるエンジンを比較して、ストロークが同じでボアが大きなエンジンが果たして高回転型と言えるか?というと、少し微妙な部分がある。

ボアとストロークで、ストロークが共通、ボアが異なるエンジンで排気量が違うエンジンというのは姉妹車のエンジンとして数多く存在する。ボアストロークから言えば、ボアの大きなエンジンの方がオーバースクエアとなるので高回転型とも言えるけど、ストローク共通でコンロッド長も共通となる。その場合、ストロークに応じたコンロッドの振れ角は同じ。しかし、排気量の大きなビッグボアエンジンの方がコンロッドの振れ角最大時における振れの力は大きくなる。これは、エンジンの高回転化に阻害要因となる。

排気量違いでボアストロークとも拡大しているような姉妹車のエンジンも存在する。
その場合、フレームが共通の事が多く、エンジンの外寸は共通。この場合、ボアとストロークの双方が拡大されている場合、ストロークが長くなった分、コンロッド長は短くなる。すると、ストロークに応じたコンロッドの振れ角は広くなる。この場合、同じボアストローク比であってもスケールアップ版のエンジンではコンロッド長が短く、振れ角が大きくなっており、これはやはり高回転化の阻害要因となる。

エンジンをスムーズに回す、、、、ボア、ストロークは大事だけど、コンロッドの振れによる振動ってのはバカにならない阻害要因。これを解消するにはコンロッド長を長くするのが有効。この効果、カワサキのZ400FX~Z400GPとGPZ400以降を乗り較べると歴然とした違いがある。ゴロゴロ走るならFX等だけど、高回転をシャーンと吹ける感覚はGPZ以降のフィール。この違い結構大きい。

同じエンジンでボアを拡げてストロークが短くなった分をコンロッド長を伸ばして対応、、、、このエンジンを体験して以来、コンロッド長については常に考えてしまう。

単車のカスタムで色んな車両をボアアップしてきたけど、ボアアップした車両は確実にオーバースクエアとなるけど、どれもノーマルよりも回転上限は下がっている。特に一定以上の回転数から振動は明らかに増大していた。改造車の場合、他の要因もあるけど、ボア拡大で爆発力が増えたのであれば、振れ角がそのままであれば振動要因になっているのは否定できない。

最近の車なら、エンジン幅に強い制約を受けるスバルのボクサーエンジン。低速トルクを確保するためにロングストローク化しているけど、エンジン幅に制約を受けるので、どうしても他社の直4エンジンに較べるとコンロッド長は制約を受け気味。

高回転型エンジンは、スムーズにピストンが上下動する。ボア方向に振れないのが大事。その為にはコンロッド長は無視出来ない。

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