免疫抑制と自己免疫疾患
免疫抑制は、免疫抑制剤を投与する等して意図的に免疫抑制を誘導するものと、疾病的な免疫不全を意味するものとがある。この免疫抑制は、様々な癌やHIV等によって引き起こされ、細菌やウイルス等の病原体に感染し病状を発症しやすくなるという結果を招く。
この免疫不全というのは免疫無防備状態となり、普通の感染症だけでなく、日和見感染症にも脆弱となる。日和見感染症というのは、健康な動物では感染症を起こさない病原体が原因でも発症する。
日和見感染症の種類は、細菌性日和見感染症は、非結核性抗酸菌症、MRSA、緑膿菌、レジオネラ肺炎、放線菌症、真菌性日和見感染症では、カンジダ、クリプトコッカス、カリニ肺炎、ウイルス性日和見感染症では、帯状疱疹、ヘルペス、カポジ肉腫、進行性多巣性白質脳症等がある。
それから自己免疫疾患とは、異物を排除する役割を担う免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に反応して攻撃する症状。免疫寛容の破綻による疾患。この免疫寛容というのは免疫抑制と同義。自己免疫疾患には、全身に影響が及ぶモノと特定の臓器にのみ影響するモノの2種類がある。前者が全身性自己免疫疾患、後者が臓器特異的疾患。自己免疫疾患というと、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、視神経脊髄炎、慢性胃炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、悪性貧血、バセドウ病、橋本病、原発性甲状腺機能低下症、Ⅰ型糖尿病、慢性円板状エリテマトーデス、天疱瘡、乾癬、原田病、突発性無精子症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、強皮症、シェーグレン症候群、血管炎症候群、IgG4関連疾患、混合性結合組織病といった症状がある。
免疫抑制も怖いけど、自己免疫疾患も怖い。ただ、免疫の効き方が正反対。
因みに、mRNAワクチンの成立の必須条件はウリジンを修飾ウリジンに改変したmRNAを用いる事。これによって免疫寛容を引き起こし炎症を抑える事が大切。つまり、mRNAワクチンを接種して、暫くは免疫抑制状態となっている。これが、様々な炎症を抑制し症状を発症させない効果をもたらせている。この免疫抑制期の後はどうなるか?というと、mRNAワクチンの効きを増強させるために含まれている脂質ナノ粒子(LNP)によるアジュバント効果や、ワクチンに含まれるmRNAが産生するスパイクタンパク質を標的とした自己免疫現象が現れる。
最悪の場合、接種直後の急性炎症期を過ぎたら、先ずは免疫抑制期を向かえ、その後、自己免疫疾患期を向かえるという可能性があるとの話。あまり穏やかな話じゃないのは確か。
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