バルブ挟み角
最近のエンジンのデザインの格好悪さ、、、、何が原因か?というと、水冷化に伴ってフィンが無くなって無表情になったというのもあるけれど、それ以上に、シリンダーヘッド部のデザインの淡泊さが効いているような気もする。
これは、シングルカムエンジンよりもツインカムエンジンの方で特に感じる事。
ツインカムのDOHCエンジンのシリンダーヘッドのデザインの変化はいつ頃からか?というと、80年代半ば、ヤマハのFZ250フェーザー辺りからのように思う。
エンジンの前傾度が大きくなり、吸気系がダウンドラフト吸気に成った頃、圧縮比が高くなり、ペントルーフ型の燃焼室+4バルブという構成の普及と共にシリンダーヘッドのデザインが、少し寂しい感じになっている。この寂しいと感じるのは何か?というと、吸排気バルブの挟み角が小さくなった事が、その理由だろう。4バルブ化によってバルブを立てても吸排気面積が確保出来る。燃焼室をコンパクトにすることを考えればバルブを立てる事が理想的であり、そういう形状に多くが向かうというのも納得ではある。
バルブの挟み角が小さくなると、カムカバーのデザインも吸気カム側と排気カム側のカバーが近接した形となり、シリンダーヘッド自体も横から見るとタイトな形状となるのは当然と言えば当然だ。
カッコイイエンジンといえば、Z1/Z2系、エフ系のエンジンが思い浮かぶけど、これらのエンジンはシリンダーヘッドのデザインは、カムの間隔が広い事による立派なカムカバーが与えられており、この部分のデザインがエンジンの造型に影響し、ツインカムを視覚的にも強く主張していたように思う。今時のエンジンは、シリンダーヘッド部分は非常にコンパクト、その上のカムカバーも超コンパクト、、、造形的に主張が感じられるようなデザインではない。圧縮比を高め、燃焼室をコンパクトにするという方向性からは、今のような構造が正解かもしれないが、エンジンの造型について言えば、昔ながらの広い挟み角のツインカムの方が美しいような気がする。
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