新しい事、自分史
色々あるけど、特許、事業化した案件を纏めると、、、、
1995年から耐食耐摩耗性新素材の開発を開始、1996年にSiC/超硬合金の傾斜機能材料を開発し特許化、1997年にWCベースのNi、Coを全く使わないセラミックス材料を開発し特許化。
この開発の際に、セラミックス製造プラント用機器の開発も実施。粉体の自動分級ふるいで、ふるい上粉体を自動的に排出させる事が可能なふるい制御システムを開発し、粉体機器メーカーと共同で特許申請。一方で、この新素材を使った耐食耐摩耗軸受を開発し、勤務先で事業化を試みる。しかし、この耐食耐摩耗軸受は2003年頃、事故が多発し事業継続を断念。事故原因の究明を進め、膨張係数が極めて小さい複合材料を開発。開発したドライ運転対応型セラミックス軸受を下水ポンプ用として出荷開始。同時にセラミックス軸受をドライ運転対応とする低膨張複合材料を用いた軸受システムを特許申請。この軸受システムは2010年頃に掛けて先行待機ポンプ用軸受システムとして出荷。2006年頃から大型先行待機ポンプ用軸受システムの開発を開始、同年には特殊なセラミックスや複雑な製造工程を要する複合材料スリーブを用いる事無く、従来システムを遙かに上回るドライ摺動特性を有する軸受システムを開発し特許申請。これの特許化には約10年を要する。新型の超長時間ドライ摺動対応の軸受システムは2010年頃から実用され始める。当初は軸径でφ150mmクラスから開始されるも十数年の稼働実績を重ね、複数のメーカーによる採用検討が行われ複数社の製品に採用されている。2024年時点では、初期に採用されたセラミックス軸受からのアップグレード案件の引き合いも始まっている。セラミックス軸受も相当量出荷しているが、これのアップグレードが今後は進んでいく。更に、過去の他社製を含め様々なドライ摺動軸受からのリプレース需要も見込まれる。2022年には、取得特許による軸受システムが劣悪な環境で使用されても機能が障害されにくい工夫を施した技術も特許申請。まぁ、こちらは製造方法が複雑かつ高コストになりそうなので、実際には特許取得には至らない可能性もある。
これに関する開発は約30年行って多数の特許申請、複数の特許取得に至っている。まぁ、特許を複数取得していても、実際に事業化して事業継続されている特許は僅か一件だが、その一件は今後も事業として継続される見込み。
過去に学会で新しい発見の発表も行った。取得に至らなかった特許申請も行ったし、取得するも継続的な事業化が適わなかった特許技術もある。恐らく、新しい発見、技術が実用に供するようになるというのは、ホントに少ないのだろう。もうすぐ終わるサラリーマン人生の中で、一つでも事業化に成功し、今後も使われ続けられそうな技術を生み出せたのは幸福だったようにも思う。この技術は、暫くは自身が事業として行う予定だけど、将来的には、技術普及に大きな役割を果たしてくれた企業に事業譲渡を行って、今後もユーザーが安心して長く使えるような体制を作っていきたい。
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