低速トルク
二輪でも四輪でも普段使いで優れたドライバビリティを発揮するのは何か?というと、アイドリング直後から強力な低速トルク。
二輪では、20歳過ぎからツイン、シングル志向、四輪でも25歳くらいからずっとそうだ。勿論、高回転型のエンジンも楽しいのは楽しいけど、この楽しさというのは限られた条件でしか楽しめない。普段使いでは、高回転志向のエンジンは疲れるだけである。
しかし、低速型のエンジンは普段使いが実に楽しい。
低速型エンジンの使い心地、これは停止段階ではアイドリング。その状態からクラッチをソフトにミートすると、ジワッと進み出す。そして、タイヤが一転がりしたらクラッチを完全にミートしてもエンジンがストールする事はない。この状態からスロットルを開くと、その速度に連動して猛烈にダッシュする。トルクが強力であれば、その瞬間、タイヤが鳴くこともある。こういうトルクがあれば、早めのシフトアップで車速を思い通りに延ばす事が出来る。車速も早く伸びるので、シフトアップも飛び越しながらシフトアップしてもOKである。オーバードライブで30~40km/hの速度を許容する。そこからの追い越し加速は不十分かもしれないけど、オーバードライブのまま、その速度以上であれば、道路の起伏、向かい風、交通の流れでの変動に対しては思いのまま対応出来る。
更に、この速度が50km/hになれば、オーバードライブのままに十二分な追い越し加速性能を発揮する。このフレキシビリティは、実用域で強力な武器になる。高いギアで低いエンジン回転でも十分なトルクを発揮する。つまり、峠道でもエンジンを回し上げてキャンキャン言わせなくとも、静かにアグレッシブに走ることが出来る。これって、非常にクールでスマートだと思う。
我が家だとCXが該当する。これの低速トルクは極めて強力。ギア比も変更しているので、強力なトルクと、俊敏な吹け上がりで、100km/h未満でのダッシュ力は必要にして十分以上。SVでは味わえない。BTでも違う。CXならではの世界がある。
四輪だとプロボックスのスーパーチャージャーが強力だ。エンジンの回転数で言えば800rpmから実用十分。10%越えの勾配路で同乗者有りでも、セコ、サードで力強く登坂する。高速道路ならトップホールドで100km/hの速度を勾配関係無く楽勝で維持出来る。大排気量車なら普通かも知れないけど、所詮1500ccの小さな車である。にもかかわらず、強力なトルクで速度を保つ事が出来る。このドライバビリティの良さは、渋滞時での走行から100km/h程度の高速道路の全域で体感出来る。
低速トルクというのは、普段使いにおいて極めて重要な出力特性である。
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