2024年10月に還暦を迎える。定年は?というと2025年4月だ。
企業に就職したのが1991年だから年数で34年である。後は年金暮らしでノンビリ過ごす。
ところで、この記事自体の作成は遡る事5年、2020年5月である。
この記事を作成したのは、勤務先の移転が新聞で発表されたのが切っ掛け。まぁ、勤務先本社、工場の移転の話は、更に遡ること1年以上昔の2018年頃には聞いていたのだが、あくまでも噂話。伝聞の域では2019年時点で5年先の移転を目指すという話だったので、2024年に移転かぁ、、、、と考えていた。そうなると、定年迄1年残して移転というと、面倒臭いなぁ、、、、っていうのが本音だ。
そもそも、勤務先をチョイスしたのは、バブル景気最中の就職活動で、実は川崎重工業への就職が決まっていたのだが、大学院卒業直前にキャンセルして選んだため。
何故に、川崎重工業をキャンセルしたか?というと、重役面接の場迄、就職するのは二輪車事業部を志望してのためだから、それ以外の配属可能性があるなら入社試験で落としてくれと願い出ていたのだが、それが直前の情報で却下されたのを知ったからだ。
それで入社辞退して、大学の卒業後に就職先を適当にチョイスしたのが、今の勤務先という事。そして、今の勤務先を選んだ理由は、実家からの通勤で経路内に信号が三個以下、通勤時間が15分以内という条件で選んだのが理由だ。
それ故に、勤務先が移転して五日市方面となると、通勤時間帯だと市内を東西に横断する必要があり、通勤時間で1.5時間前後を見込む必要がある。そうなると、勤務先の魅力は全く皆無なのだ。
それ故に、定年退職迄一年を通勤で1.5時間を掛けるのは苦痛以外の何ものでもないというのが本音である。
更に、2019年、2020年時点での話だと、通勤ではマイカー禁止で公共交通機関の駅と会社をシャトルバス運行で賄うという話もあり、そうなると意味は無いのである。
しかし、新聞発表で移転が2026年10月となると、既に退職後だから関係無しである。
とってもラッキーである。
それは兎も角、移転というと、少し心配。
そもそも、勤務先をチョイスしたのは、その時の社長の開拓精神に惹かれたからだ。それで選んだのだが、社長の息子が引き継いだのが先代が80歳を越えて88歳くらいだっただろうか?2019年時点の社長の経営方針は、新しいモノにトライするというのが皆無となり、企業としての魅力は正直全く感じない状況。その時点において企業コンセプトが『世界最強のニッチ産業を目指す』との事で、これにも意味が見えないのが正直な意見。更に、2026年というと、この記事作成からの6年後、そうなると社長年齢も75歳くらいになる。恐らく、御子息である四代目が引き継ぐことになるけど、そうなると、更に心配。
90年代後半から2000年代における社長といえば、創業者からの二代目社長の時代だけど、この時代の社長は、厄介者ではあったけど、一応尊敬していたのも事実。
その社長の下で十数年間程業務を行ったけど、その時に最も苦労したのが、現場の素材供給部門のコストダウンとジャストインタイムで製造する体制の構築だ。
因みに、人手を集約して生産するタイプの業種、鋳造工場だけど、当時を振り返れば、鋳物品質が悪く、製造素材の90%以上の素材が機械加工後に不良が発覚して、溶接補修等の改修作業が必要という状況であった。
更に、鋳造工場における行程、鋳型製造工程における砂型造型行程で、必要砂型の数量管理、工程管理が問題を抱えており、作業がスタックしたり遅延したりすることが多発していたのが大きな問題であったのだが、その問題が露呈するのは、現実に工場内ラインが長時間ストップする事態が多発していたのである。
そのライン停止状況に気付いたのが、当時の社長であり、その社長の命が『ラインスタックを何とかしなさい』というのが業務命令。この業務命令を達成するために、色々調べると、工場運営におけるシステムであるとかデータの更新が全く為されず放置されていたのが原因と突き止めて問題改善に取り組んだのを覚えている。
結局、工場設備、工程設備等によって定まる製造品目の製造情報のデータが全く一致しておらず、製品の製造データベースが無管理状態となっていたのが最大の原因と突き止め、鋳造工場内で製造する5000品目以上の製品から展開されるコストデータがデタラメであり、時の工場設備、工程設備の能力から製造時におけるコスト計算、工程計画に用いるデータを全て人手で計測した上でデータを作り直すことを行い、そのデータを元に最適な工程計画を立案するプログラムを作成することに1.5年を掛けて行ったのであるが、その際に必要な、製造素材のコスト計算用のデータを全て作り直したのは、実は、この工場が造られて初めての事だったらしいのを聞いて驚いたのを鮮明に覚えている。新しい工場を効率よく稼働させるには、扱うモノの情報を新しい工場設備に併せて修正、或いは再構築しなければ、計画一つも立案出来ないし、ラインを滞り無く運用する事は多分簡単ではない。
また、新しい工場に移転し、工場設備を一新するのであれば、それを機会に、製品構成というか製品を為す製造・設計の技術運用形態を見直し等も行うのは良いモノと考えるが、それが為されるかどうか?は、時の担当者次第でもある。
ドラスティックな変化があるのであれば、そのタイミングでしか行えない変化を如何に実践する事ができるかが、未来における収益性の改善可能性に大きく寄与するだろうが、その辺も少し心配ではある。
試算ではあるが、今の製品ラインナップの技術要素の展開と標準化を図れば、シリーズを横断して設計、製造手法の共用化が行えるが、それを出荷金額の70%を締める既存生産機種の45%に適用する事が出来れば、該当機種の製造手法の多くを、より低コスト高品質で行える手法にシフトする事が可能であり、それが出来れば、あくまでも試算だが、年間の製造コストで7~8億円の低減と、工数時間は概ね20%の短縮が可能であり、失っていた利益というか、これまで要していた製造コストを利益に計上する事が可能だが、こういう全機種に及ぶ変化は、こういうタイミングで実践しなければ行えるタイミングは無いのでは?とも思う。時の経営者および参謀が、そういう経営の舵取りを行う事を願うが、果たして、そういう方向に進むかどうかは、2020年時点では見えてこない。ただ、そうなることを祈るばかりである。
また、新しい地において操業を始めるので有れば、新しい時代に見合った製品特色を製品に担わせる何かを期待したいところである。
これまでの、安く出荷、出荷製品のメンテナンス作業、補修部品で利益回収というビジネスモデルではなく、出荷時点で利益を確定した上で、出荷後に掛かるコストをミニマムとするような形で業態を見直す事も可能かも知れない。
まぁ、何はともあれ、新しい時代を担う人材が、己の未来を賭けて取り組んでいくのであり、その成功は願って止まないものである。
最近のコメント