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2025年4月21日 (月)

移転をきっかけに、、

先日まで勤務した会社、めでたく定年退職。
ただ、この記事は、会社の移転発表がされた年に記述。2020年の記事だ。

移転するとき、どんな風に移転するのかは知らないが、折角、総て移転するならば、通常の業務改善で出来ないレベルのドラスティックな改革をすれば良いのに、、、と切に思う。

ポンプメーカー、タービンメーカーだけど、先代経営者が亡くなって、現時点で二年経過。その二年の間に新規事業、新技術の開発は殆ど消滅しており、既存の製品マーケットを確実に守るという方針のように見えるのだが、製品自体、まだまだ無駄が多く利益を生み出せる余地は大量にあるように思う。

既存製品は、砂型鋳造による素材製造、これを機械加工して製作するような機械メーカーだけど、その素材製造の部分には改善の余地がまだまだ大量にあるように思う。

自身、先代経営者の元で計画していた方法だけど、生産台数の60%を締める製品の製造方法の改善を行うのは、今回のような工場移転のタイミングでないと設備投資を含めて出来ない方法もある。どんな方法か?というと、同業他社では平成の前半頃に成し遂げていたような生産システムの導入だ。同業他社では、機械製品の中心の回転体部品を現状の鋳造法による製造方法に頼らず、もっと精度が高く、軽量な状態で作り上げる製造方法を実現している。因みに、回転体を人手に頼る鋳造法によって製造した場合と、新しい方法で製造した場合、重量で40%減、機械の性能の要である効率において8~11%の向上を見込めるもの。
また、機械製品の本体部分の最終処置も、現状は欠陥を溶接補修によって改修して製品としているけど、新しい方法では、溶接補修は行わず、化学的な処置を組み合わせる事によって、内部流体の接触する壁面性状を劇的に改善することと欠陥補修を同時に行う方法だ。この方法を採用している他社実績によると、この本体部品の製造方法の改善で4~5%の効率改善と、工数では20%の改善を図っている。

主力製品でありながら利益率はマイナスの製品が生産台数の中で60%を占めているが、これの製造コストは概算で15%カット、性能は10~12%改善、製品重量は平均で-20%である。これが実現出来れば、60%の製品が原価割れ出荷している部分が改善出来る訳である。

ただ、こういう改善、工場移転のタイミングでないと出来ないし、工場移転に向けての数年を掛けて技術的課題を潰していかないと実現出来ないモノ。

本来なら2020年時点で取り組みべきだろう。恐らく、公開予定の2025年では何も変わっていないのだろうけど、かなり残念。

因みに、主力製品の一つには熱力学機械がある。こちらは、蒸気タービンだけど、蒸気消費量が他社製品に比較して大食い状態。つまり、効率が悪いのだが、こちらも、熱機械の本質であるロスを如何に減らすか?という視野でとり組めば、現状の技術レベルであっても改善できる方法がいくらでも存在している。

如何に、精度を上げるか?如何に熱を逃がさないか?、、、、そういう視点での取り組みを行う事も不可能ではないだろうけど、これらも、恐らくはとり組まれないままに年数が過ぎているような予感がする。

それにしても、移転計画に数年を掛けるのであれば、その数年後に今をそのまま引っ越すのではなく、生産技術的にドラスティックに改善するような案を立て、それを実現するような取り組みが為されなかったとすれば、如何にも残念、、、、、

どうなるかな?

まぁ、頑張って欲しいモノである。

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