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2025年4月20日 (日)

定年後の進路

この記事、定年前334日時点(2024/5/21)に作成。同時公開する記事は2020/5作成だから、これまた随分古い記事。この定年時公開の為に2020/5に作成した時は、定年後、どうするか?ってのは100%決めてなかったけど、今(2024/5)は定年後、どうするか?ってのは決めている。
そこで、退職のタイミングで退職後の進路について紹介してみようと思う。
このブログ、実は勤務先の知り合いも割と多くが閲覧している。退職のタイミングで挨拶回りなんてする予定も無いので、閲覧してくれる人に今後の予定を伝える意味で記事をアップしておこうと思う。

退職後の予定の前に、この会社は良かったか?悪かったか?というと、まぁ、悪くなかったというのが結論。っていうのは、元々、自身の学生時代に遡ると、どんな道に進みたいか?を意識したのが高校2年の頃。で、選んだ道は当時最先端だったセラミックスという新素材開発。行きたい企業は京都セラミックである。で、志望する進路は、材料関係の開発ということで、理学部であれば物性学科、工学部であれば工業材料関係。因みに、大学、大学院では、そう言うことを行うのに必要な知識を学べる専攻をチョイス。ところが、卒業後入社した会社は、全く関係無い会社。そういう意味では大間違いだったのだが、入社3年目に、新素材開発のチャンスが在ったので、それに載っかる事に。良かった点というのは、高校時代から思っていた新素材開発に携われたということ。悪かった点というのは、新素材開発に携われるも、会社自体は、その業界とは無関係な中小企業で、研究開発の際に頼れる先輩、組織が皆無だったという事。

で、取り組んだ結果、良かったことというのは、開発した材料で特許取得迄漕ぎ着けたことだけど、悪かったことというのは、開発した材料を使った製品は一度は実用化するも最終的には没になって市場から撤収したということ。

ここで学んだのは、凝りに凝って、高性能を求めすぎて技術を先鋭化して特許を取得しても、そんな難解なモノはコスト的にも厳しいということ。要は、複雑怪奇な特殊なモノで特許をとってもダメということに気付いたというのは最大の収穫だったんだと思う。

これを教訓に退職迄の最期の10年で行ったのは、、、、エンジニアならば人生において自分の知見で新たな技術を生み出して社会に提供したいという思いから、汎用的な材料に、チョットした工夫で、誰もが成し得なかった高性能な製品を作るという方向への方針転換。これの開発は、複雑な材料を使って得た製品以上の性能を誇りつつ、コストは1/3以下、それでいて誰でも作れるという形に結実することになる。新しいシステムは、最初に作った特殊な材料によるシステムでは成し得なかった性能を実現することが出来たのは喜ばしい事だけど、残念だったのは、新しいシステムは、この度辞める会社では採用しないと言うこと。これは非常に残念。但し、この新しいシステムは、同業の国内大手企業の製品に数多く採用されることになる。退職時点における出荷実績は、3社以上、100台以上、初号機出荷から10年以上となっている。

退職を決意したのは、この会社では新しいシステムを販売しても会社の収益に貢献出来ないから。そして、その販売補助をしても会社の利益に貢献出来ないということ。それでは、ここで活動することに申し訳ない気持ちが大きいから。新しいシステムの製品を製造するに当たっては、日本国内の多くの機械加工メーカー、表面処理メーカー、材料メーカーとコンタクトを取って満足出来る品質の製品を作る体制を整えるのに、これまで7~8年を要してきて、今では安定した製品を提供出来るようになっている。

ということで、退職後は、この特許を駆使した製品を、事業として製作して国内の大手ポンプメーカーに納める事を事業の一つとして営んでいく予定。

自身が活動するのは2025年からだけど、2025年納期の案件は2024年段階で既に3工事程の引き合いがある。これまでの実績では通年で6~10工事案件があり、恐らく、今後も暫くは、そういう件数の受注が行われると思う。

退職せず、企業に残るとして、そのメリットは、新たな開発と検証が出来る場合に、企業に残る選択肢もあるが、残念ながら、研究所や設備は2025/3を以て閉鎖、解体が決まっており、企業に残って新しい技術の開発や試作製品の検証を行うことは出来ない。となれば、企業に残る意味は全くないのである。

ということで、自身が企業に残るのは、研究所の設備が使える2025/3が基本。退職応答日が2025/4なので、2025/4/20を退職する日と決めた次第である。

残念なのは、折角揃えた実験設備、試験設備がゴミになることかな、、、、

何はともあれ、お疲れ様ということですね。

退職後は、新しい特許を生み出すことは出来ないかも知れないが、これまで取得した特許を駆使して、自分の技術を使って製品を世の中に届けることで社会に貢献出来ればと思う。
エンジニアなら、、、、生涯で一つくらいは、自分の閃きで特許を取って製品を生みだして実用化したいものである。まぁ、一つは出来たので良かったと思う。

本音を言えば、、、、エンジニア、設計者でありながら、特許の一つも取れずに言いなりに過ごす人生だけは、、、、まっぴらだな。

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