PP材加工と温度調節はんだごて
BTにトップケースを装着した。ツーリングスクリーンもオーダーした。となると、ナックルカバーを付けようか!って事になった。
ナックルカバーの選択肢は汎用品の装着か、メーカー純正の他車種用オプションの装着の2パターン。で、今回選んだのは他車種用オプション。最初に思い付いたのはYBR125用のオプションだけど、取付は難しそう、、、、で、似た形状で付きそうなモノを見繕った結果、スズキのDR-Z400用、ジェベル用のどちらか。カバー部形状は同じだけど、取り付け部形状金具が違うということで、二個とも調達。二個で5,000円。ブレーキレバー側は同じ品物で、クラッチレバー側が異なる形状。最初はDR-Z400用を装着。装着ではカバーの干渉部位をカットして装着。固定が緩くなるのでインシュロックで補強していたけど、どうも気に入らない。という事で、クラッチレバー側にジェベル用で再トライ。僅かな加工で綺麗に装着出来た。インシュロックは無しだ。となると、ブレーキレバー側の固定が気に入らない。インシュロックだ。ただ、これが無いと固定は甘い。固定はレバーピポット部の一箇所での固定だから、インシュロックが無いとピポットを軸にシーソーのように動く。そこで、ピポット部とは異なる箇所とレバー側を固定すべくステーを作成。ただ、ステーでは、シーソーのように動く一方向しか固定出来ない。もう一方向にも固定するためには、ナックルカバーとブレーキレバーの隙間を無くしてカバーの稼働域を制限する必要がある。ということで、ナックルカバーを取り付けた際のブレーキレバーとの隙間を樹脂で埋める事に、、、、
で、今回のナックルカバーはPP樹脂である。これはカウル等に用いられるABS樹脂とは違う。ABS樹脂はプラリペアで肉盛りできるけど、PP樹脂にプラリペアは使えない。逆に、ABS樹脂は熱で溶かそうとすると直ぐに炭化して強度が落ちる。しかし、PP樹脂は熱で溶かすと、溶けた状態が保てる温度幅が広いので、温度調整出来るはんだごてを使えば溶融状態を長時間維持出来るのだ。この特性を利用して樹脂を溶かしてナックルカバーに肉盛りを施していく。ナックルカバーを仮組して、ナックルカバーとブレーキレバーの隙間に溶かしたPP樹脂を流し込んでいく。当然、流し込んだだけでは溶けた樹脂とナックルカバーの樹脂は溶着しない。流し込んで仮成型したナックルカバーを取り外し、流し込んだ樹脂の外形寸法を抑えながら再溶融させる。この時、ナックルカバー側の樹脂の接合面も溶融させて樹脂を一体化させる。はんだごての温度調整ボタンを利用して樹脂を一体化して表面を整えるのだ。この作業を行うと、ほぼ思い通りの形状が出来る。
ナックルカバーの樹脂を溶融成型して組み上げる。これでワンオフステーでレバーピポット部以外でも固定。すると、レバーピポット部を軸にシーソーのように動こうとするナックルカバーは一方向ではステーで拘束されて、反対方向でも部材がレバーに干渉して動く隙間が無いので拘束される。これでインシュロックに頼らずとも完璧にナックルカバーが固定される訳だ。
以前、鉄を溶接して必要な材料を作る楽しさを記事にしたことがあるけど、PP材なら材料を溶かして必要な成型が出来る。これも溶接同様に楽しい。固体材料を溶かして液体状態にして再成型、、、溶接に近い楽しさである。温度調整機能のついたはんだごて、お奨めである。
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