700cc版で登場時は高評価だったけど、750cc版になってからは注目度が低下、殆ど売れなくなってライバル車の強い個性に埋没し、2020年で終了、、、、
しかし、個人的には、その凡庸さが強い個性で、長く乗るなら一押しか?と思える存在。
それは、、、NC750Sというモデル。CB750後の教習車NC750Lの初代モデルのベースモデル。前傾パラツイン、270°クランク、低重心でローパワー、全域トルクに大人しいスタイル。
NC750、NC700の開発コンセプトは、街乗りで最高性能を追求すること、、、これは、NCシリーズが登場した時に開発者が述べていた話。
大型バイクユーザーの90%が、エンジンの使用回転数は6000rpm以下、常用最高速度は140km/h以下である。こういう市場調査結果に基づいて開発されたモデルだという。
言ってみれば、10%を捨てて90%を満足させるというコンセプトである。
上述のコンセプトを満たすパワーユニット、低回転フラットトルク、そして低燃費で扱いやすい、、、、それで、当時、ホンダの大衆車であるフィットのエンジンをベースに半分にして作ったなんて言われていたのを思い出す。排気量こそ大型車のそれだけど、エンジンの車載レイアウトを見ると、ホンダの究極の実用バイクであるスーパーカブにも通ずる形態である。シリンダーヘッドを大きく前傾させてエンジン上部が重たくなるヘッドはシンプルなシングルカムヘッドを採用、これによって低重心を実現。エンジン上部を実用性を与えるために利用。スーパーカブでは乗降性を追求したデザインだけど、NCでは積載能力アップに利用。
或る意味、究極の割り切りで生まれたパッケージと言える。
趣味性の高い二輪というカテゴリーでは、掴み所のない個性で人気を博す事は出来なかったようだけど、750ccという排気量で54~58PSという設定も魅力的。こういう馬力を抑えたモデルというのは、高いギア+低い回転数でも十二分に使える加速力を見せてくれる。街乗り、ツーリングでは非常に使い易い存在なんだが、、、、
2020年代以降、全てがインジェクション、ABS装備という時代では、それを嫌って単車を敬遠すると選ぶモデルが存在しなくなるけど、時代の求める装備を最低限、それでいて乗りやすさを追求した究極のモデルは何?というと、このモデルを置いて他には存在しない。
スポーティならSV650Xとか、パワフルさならMT-07とか、そういうモデルに目が行くけど、そういう尖った部分を一切無くした存在というのは、実は長く付き合うと最高の相棒に鳴りうるモデル。
自分の愛車であるCXとかBTに通ずる空気感、これがNC750Sにはある。これ、結構お奨めだと思う。
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