土石流、山の谷筋、沢を雨水が土砂を巻き込みながら流れ落ちるもの。雨水の量が問題。大きな山体で広いエリアに振った雨が集中すると大量の泥水となる。逆に言えば、小さな山体であれば、集中する雨量の絶対量が少ないから発生し辛い。山は、基本的に山頂に行く程尖っている。沢に集中する雨量は、山体が連なった山程雨量を集めやすい。
そう考えると、高い山、連なった山というのが土石流が発生するリスク要素と言える。山体に沿って大量の雨が降る状況といえば、平地から侵入する湿暖流が駆け上がって雲を造り出すような山だろうから、高度的に300m以上の山だろう。前線近くで出来る雨雲は標高300m以上だから、それに近い高さの山沿いは積乱雲を作りやすい。湿った空気をしっかり堰き止めるような連なった山だろう。標高の高い連なった山で壁のようにそそり立つ地域の麓というのが土石流的には非常に危険ということだろう。高さが100mの山と200mの山、形が相似であれば、高さが2倍ならば、面積は4倍である。高さが3倍なら面積は9倍である。面積が9倍になって沢筋が9倍なら流れる雨量は変わらないかも知れないが、そうでなければ、大量の雨水が沢に集まって流れていく。大きな山というのは、それだけ大量の雨水を集める訳で、土石流リスクは山体のサイズが大きく影響する。
土砂崩れ、これは斜面を形成する土砂の保持力が失われて崩落する。斜面の保持力は地盤の硬さ、それから斜度が大きく聞いてくる。それを崩壊させる水分が入る事で保持力が失われて崩壊する。崩壊の度合は、雨量は勿論だけど、地盤が含水時に保持出来なくなるのが原因。崩落の力は重力だから、下方成分が強い程崩落しやすい。一言で言うと、急勾配斜面だろう。石垣やコンクリートの城壁も崩れる例が多いけど、石垣や城壁で覆った壁面の上面が水分を含むような土が剥き出しだと、表面の石垣が保持出来なくなると崩落するしかない。石垣、城壁が崩れている場所は多いけど、その上面から雨が染み込みやすい場所だ。この目安、人が歩いて上れる程度の斜面だと土砂崩れは起きづらい。人が上れない勾配だとアウトだろう。30°だと重力の5割が斜面をずり落ちる力、60°だと重力の9割近くである。斜度が60°だと純粋に崩落する力は1.8倍である。
裏に山がある人、裏山の標高が湿暖流を遮り上昇気流を作りやすい300m以上の連なった山で南西向き斜面だったり、裏手に崖があって人が上れないような高い崖があるような人は、大雨が降る時は注意が必要。
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