最近の市販車のエンジン出力、随分と強力になっている。
80年代迄とは雲泥の差。
四輪のファミリカー、例えば1500ccの大衆車だと、80年代といえばグロスで85PS程度、それが現代なら110PS程度は発揮している。2000ccのレシプロエンジンだと、80年代は普通のモデルでグロスで110~120PSくらい、スポーツモデルでグロス130~160PS程度だ。現代なら普通のモデルで150PS、スポーティなモデルなら180~200PSである。表記の違いだけで2割は違う。グロスとネットで15%位違うので、ザックリ30%以上は出力が向上している。
単車でもそうだ。馬力規制の掛かった750cc以下のクラスだと、昔の単車の方がハイパワーだけど、その制限が掛からないリッタークラスを見ると、時代による差は顕著。
70年代ではリッターバイクでも90PS程度、80年代で100~120PS、90年代で150PS以上となり、2000年以降となると200PSの世界。実に倍半分の違いだ。
ただ、発生しているトルク値を見ると、倍半分もの違いは無い。昔のモデルでリッターあたりのトルクは9kgf・m程度、現代のモデルで10kgf・mと、その差は10%程度だ。
つまり、出力での大きな違いというのは、発生する回転数の差ということになる。
ただ、稀に2000年代以降のモデルでも、80年代以前のモデルよりも出力を抑えたモデルも存在しており、それらの出力、トルクの発生回転数を見ると非常に低い数値となっている。この発生回転数が低いエンジンは、幅広い範囲で高いトルクを発揮しているパターンが多い。昔のモデルも現代のパワーを抑えたモデルも、実は街乗りでは非常に扱いやすい性能を持っていたりする。
最近の車や単車はスペックを見ると凄く強力だけど、街乗りでゆっくり走るという使い方をしよう思えば、スペック通りの動力性能を期待しているとガッカリする事も少なくない。
長く乗っていこうと思えば、使う事のない高回転域のパワーは最初から捨てて、排気量の余裕を低回転域での余力に振り分ける考え方で、必要なメカニズム、制御をシンプルに作る方が、モノとしての寿命も長くなり、耐久性も高くなるように思う。
長く所有する、、、そういう前提で物選びをするとすれば、新しいモデルでも極力シンプル、、、そういう方が幸せになれるかも知れない。
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